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2024-09-07

庭門(数寄屋門)造作工事・杉皮葺きの屋根とさらし竹の門扉#鎌倉個人邸

前回、鎌倉個人邸のお客様からお庭のリフォーム依頼を受け、石積みとビオトープ、藤棚のあるお庭へ移り変わる様子をお伝えさせていただきました。

今回は、庭門と土壁作りの工程を画像を盛り込みながら、お伝えさせていただきます。庭門は数寄屋門での造作で、前回のお庭造りに調和した庭門を心掛けて造作させていただきました。

門扉(もんぴ)は和風の室内装飾としても使われる風情のある、白い晒し竹を使用しています。

まず、工程の始めは原寸大の図をコンパネに書き写し、イメージすることです。現在のお庭からイメージを膨らませ、まとまったところで作業に入りました。

部材の墨付けと刻み作業

柱などに墨付けをし素材を丁寧に刻んでいきます。自然素材の特性をいかすことを意識して要所要所を確実に作業していきました。

女竹をつけた屋根の作成

屋根に女竹をつけて、上からコンパネをはり、ルーフィング材を取り付けました。

ルーフィング材を敷くことの重要な役割として、雨水を屋根の中に浸透させず、十分に軒先から流すことが求められます。

細く柔軟性のある女竹を素材として使用することにより、風雨に堪えず晒される環境においても受け流すことが自然に可能となります。

門をくぐるとき、自然と調和した女竹が客人や、家人を優しく迎え入れてくれると思います。

土塀用の柱加工

屋根の杉皮を貼る前に先に土塀の柱を加工しました。一本一本確実に丁寧に仕上げていきました。

杉皮葺きの屋根

その後、屋根に杉皮を張り、塀に土を塗りました。杉の木の樹皮は雨に強く、飾らない自然さが和風の屋根材に適しています。

庭門の完成

門扉(もんぴ)には晒し竹を用い、最後に取り付けて庭門の完成です。

大工さんの言を借りれば「数寄屋門」の完成です。

晒し竹の門扉

晒し竹の門扉

最後にひとこと

前回のお庭リフォームから、今回の庭門の造作まで、一貫してお客様より信頼されて依頼されたことで、大変嬉しい気持ちと感謝の気持ちで一杯です。

特に、天然素材の特徴を引き出し活かす弊社のモットーを具現化でき、お客様と価値感を共有できたことは何事にも替えがたいものだと感無量です。

庭師冥利につきるお仕事を気持ちよく、魂を込めてさせていただきました。

これからもメンテナンスを継続的にさせていただきながら、造作させていただいたもの一つ一つが自然に溶け込む様子をお客様とともに鑑賞させていただければ幸いです。

前回の記事はこちらです。(石積みとビオトープ、藤棚のあるお庭)

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